富山湾沿岸の塩害対策|海岸近くの建設工事における注意点
富山湾に面した地域での建設工事では、海からの塩分による「塩害」への対策が不可欠です。富山県滑川市に拠点を置く株式会社柊建設工業では、富山湾沿岸エリアでの豊富な施工経験を活かし、塩害に強い土木工事・型枠工事を提供しております。本記事では、富山湾特有の環境条件を踏まえた塩害対策の重要性と、海岸近くでの建設工事における具体的な注意点について詳しく解説いたします。
富山湾沿岸の塩害リスクと影響範囲

富山湾沿岸地域では、海からの塩分が建設構造物に深刻な影響を与える可能性があります。塩害の影響範囲と程度について正確に理解することが、適切な対策を講じる第一歩となります。
塩害地域の分類と影響範囲
塩害の影響は海岸からの距離によって段階的に分類されており、建設工事の計画段階から適切な対策を検討する必要があります。
岩礁隣接地域
範囲:直接波しぶきがあたる場所
特徴:海水が直接構造物に接触するため、最も厳しい塩害環境となります。
対策:特殊な防食材料と厳重な防護対策が必要です。
重塩害地域
範囲:海岸から200m~500m以内
特徴:常時強い潮風にさらされ、重度の塩害が発生する地域です。
滑川市での該当エリア:海岸線に近い市街地や工業地域が該当します。
塩害地域
範囲:海岸から500m~2km以内(一般的地域)
特徴:通常の潮風による塩害が発生する地域です。
注意点:台風時には通常より広範囲に塩分が飛来します。
内陸部での塩害
範囲:海岸から2km以上離れた地域
特徴:通常時は影響が少ないものの、台風時には10km以上内陸まで塩分が到達することがあります。
富山県特有の条件:立山連峰からの風向きが塩分の拡散に影響します。
塩害によるコンクリート構造物への影響
塩害がコンクリート構造物に与える影響は深刻で、適切な対策を講じなければ構造物の耐久性と安全性が著しく低下します。
塩害発生のメカニズム
塩害は塩化物イオンがコンクリート内部に侵入することで発生します。通常、コンクリート中の鉄筋は強いアルカリ性環境により不動態皮膜で保護されていますが、塩化物イオン濃度が一定値を超えると、この保護膜が破壊され鉄筋の腐食が始まります。
塩化物イオンの侵入経路
外来塩化物:潮風や海水から浸透する塩分
内在塩化物:施工時の材料に含まれる塩分
浸透プロセス:コンクリートの毛細管を通じて内部に拡散
影響要因:水セメント比、ひび割れの有無、養生状況
腐食反応と構造物への影響
不動態皮膜の破壊:塩化物イオンによる鉄筋保護膜の損傷
腐食の進行:鉄筋の酸化により錆が発生
体積膨張:錆の体積は元の鉄の2~4倍に膨張
構造物損傷:ひび割れ、剥離、剥落の発生
富山湾沿岸での塩害進行の特徴
富山湾沿岸では、日本海特有の気象条件により塩害の進行に独特な特徴があります。冬季の強い季節風により塩分の飛来量が多く、また湿度の高い環境が塩化物イオンの浸透を促進します。さらに、立山連峰から吹き下ろす風により、塩分が山間部まで運ばれることがあります。
建設工事における塩害対策の基本原則
効果的な塩害対策を実施するためには、設計段階から施工、維持管理まで一貫した対策が必要です。
設計段階での対策
かぶり厚さの確保
標準値:一般環境より厚いかぶりを設定
重塩害地域:最低70mm以上のかぶり厚さ
効果:塩化物イオンの鉄筋到達時間を延長
水セメント比の低減
推奨値:水セメント比45%以下
効果:緻密なコンクリートによる浸透抑制
品質向上:強度と耐久性の同時向上
混和材の活用
高炉スラグ:緻密なコンクリート組織の形成
フライアッシュ:長期強度の向上
シリカフューム:超高性能コンクリートの実現
塩化物含有量の管理
基準値:0.30kg/m³以下(JIS A 5308)
材料管理:海砂の十分な洗浄または陸砂の使用
品質検査:フレッシュコンクリートでの塩化物測定
施工段階での対策
施工段階では、設計で計画された塩害対策を確実に実現するとともに、施工品質の確保が重要になります。
表面保護工法と防食技術
既存構造物の塩害対策や新設構造物の予防保全には、表面保護工法や各種防食技術が効果的です。
表面被覆工法
塗膜系表面保護材
エポキシ樹脂系:高い防水性と耐久性
ウレタン樹脂系:柔軟性と追従性に優れる
適用範囲:垂直面や曲面での施工が可能
メンテナンス:定期的な再塗装が必要
浸透系表面保護材
シラン系:コンクリート内部への浸透型
シロキサン系:撥水効果による浸透抑制
特徴:外観変化が少ない
効果:既存の美観を保持しながら保護
電気防食工法
電気防食工法は、鉄筋の腐食反応を電気的に停止させる高度な防食技術です。外部電源方式と流電陽極方式があり、構造物の供用期間中継続的に防食効果を発揮します。富山湾沿岸の重要構造物では、長期的な維持管理計画の一環として検討される場合があります。
富山湾沿岸特有の施工上の注意点
富山湾沿岸での建設工事では、地域特有の気象条件や環境要因を考慮した施工計画が必要です。
気象条件への対応
富山湾沿岸は冬季の強い季節風と夏季の高湿度が特徴的で、これらの条件が塩害の進行に大きく影響します。工程計画では風向きと風速を考慮し、強風時の作業制限を設けることが重要です。また、養生期間中の塩分付着を防ぐため、適切な被覆養生を実施します。
定期的な洗浄とメンテナンス
構造物への塩分付着を防ぐため、定期的な水洗いが効果的です。特に台風通過後や強風後には、塩分が乾燥固化する前に速やかに洗浄することが重要です。滑川市周辺では、ホタルイカ漁の時期(3月~5月)に海上活動が活発になるため、この時期の塩分飛来にも注意が必要です。
日常管理のポイント
洗浄頻度:月1回以上の定期洗浄
洗浄方法:真水による十分な水洗い
点検項目:ひび割れ、変色、錆汁の有無
記録管理:洗浄・点検結果の記録保存
緊急時対応
台風後:24時間以内の洗浄実施
強風後:塩分付着状況の確認
損傷発見時:早期補修による拡大防止
専門相談:重大な損傷は専門業者へ相談
まとめ
富山湾沿岸での建設工事における塩害対策は、構造物の長期耐久性と安全性を確保するために不可欠です。海岸からの距離に応じた適切な対策レベルの選定、設計・施工・維持管理の各段階での一貫した取組み、そして地域特有の気象条件への配慮が成功の鍵となります。
株式会社柊建設工業では、富山湾沿岸での豊富な施工経験と専門知識を活かし、効果的な塩害対策を施した高品質な土木工事を提供しております。海岸近くでの建設工事や塩害対策に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。地域の気候条件を熟知した技術者が、最適な施工方法をご提案いたします。
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